旧約聖書に挑戦⑧、アブラハムの物語その三、イサクの犠牲とアブラハムの最後

イサクの燔祭

長い長い旧約聖書を読んでいくシリーズです。その中でもアブラハムの話は長いので三つの章に分けた最後の物語。この最終章はアブラハムが100歳で授かった息子イサクを神に差し出すイサクの犠牲のお話。

 

旧約聖書・イサクの犠牲とアブラハムの最後


アブラハムの物語前回まであらすじ

アブラハムは神の声を聞いて故郷を捨ててカナンの地へ。旅で豊かになったアブラハムと甥のロトは別れて暮らすことに。ロトが選んだのは豊かなソドム、ところがソドムは悪徳の街で神に滅ぼされる。神はアブラハムに現れ子孫が星の数程増えると契約を結び、神の予言通り息子が生まれた。アブラハム100歳の時に生まれた息子はイサクと名付けられた。

イサクが産まれて数年が経った

「アブラハムよ」神は言われた。「あなたの子あなたの愛するひとり子を連れてモリヤの地にいき、私が示すところで彼を犠牲として捧げなさい」

神が命じたモリヤの山へ登っていく。

アブラハムは朝早く起きてロバに鞍を置き二人の若者とイサクを連れて燔祭用の薪を割り神が示されたところに行った。

三日目にアブラハムは目を上げて若者たちに言った「あなた方はロバと一緒にここにいなさい。私とイサクは向こうで礼拝し戻ってきます」

アブラハムは焚き木をイサクに担がせ、手に火と刃物を持ち歩き始めた。

イサクは父に聞いた。「火と焚き木はありますが燔祭の子羊はどこにいるんですか?」

「子よ、神自ら燔祭の子羊を備えてくださるであろう」

 

イサクを連れて行ったモリヤの山はどこ?

モリヤの山はどこにあるのかは今も議論されているようだがかつてのエルサレム神殿があった場所ではないかといわれている。

旧約に納められたユダヤの歴史書=歴代誌という書物に「ソロモンはエルサレムのモリヤ山で主の神殿の建築を始めた。そこは主が父ダビデに現れた場所でかつてエブス人オルナンの麦打ち場であった」とあるが否定している学者もいるらしい。

現在はそこに岩のドームが築かれていてイスラム教の第三の聖地になっている。

*預言者モハメッドが大天使ガブリエルに連れられ一夜の内にカーバ神殿からエルサレムの神殿まで旅をして天馬ブラークに乗って昇天し神の御前に至った場所。

アブラハム、イサクを祭壇へ

イサクの燔祭
wikipedia public domain

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彼らが神が示された所へ行くとアブラハムはそこに祭壇を築き焚き木を並べイサクを縛って焚き木の上に乗せた。

そしてアブラハムが刃物を取ってイサクへ向かうと天使が天から彼を呼んだ。

「アブラハムよ、アブラハムよ」

「はい、ここにおります」

「その子に手をかけてはならない。あなたは大切な子供を私に捧げようとしたのであなたが神に従う者であることがわかった」

アブラハムが目をあげると後ろに角を藪に引っ掛けている雄羊がいた。アブラハムは雄羊を生贄として捧げそこの名をアドナイ・エレと呼んだ。

こうしてアブラハムは神に受け入れられた

神は再び天からアブラハムを呼んで「私は誓う、あなたが大事な一人息子も惜しまず神に差し出したので私はあなたを祝福しあなたの子孫を増やし天の星のように、浜辺の砂のようにする。」

こうしてアブラハムは神を信じた信仰、唯一の息子までも神の希望とあれば犠牲にする神に対する信仰によって神に受け入れられた。

サラの埋葬

その後サラはカナンの地ヘブロンで127歳でこの世を去った。アブラハムはサラの為に胸を打ち嘆き悲しんだ。

ヘブロンの場所
Google マップで筆写作成

サラを葬るためにアブラハムはヘブロンのマクペラの洞窟を買い取った。

アブラハムは地元のヘトの人々に「私はここに一時的にいる者ですがあなた方が所有する土地を譲ってください。亡くなった妻を葬ってやりたいのです。」

その土地の所有者エフロンから銀400シェケルを計り渡した。

マクぺラの洞窟

マクベラの現在
wikipedia public domain Israel Hebron Cave of the Patriarchs.jpg

このマクベラの洞窟は以前にマレムの樫の木として登場する場所で神がアブラハムとサラに現れてイサクの誕生の話をした所。マクペラはヘブライ語で「2倍・2重」と言った意味があるという。更にこの400年後にカナンの地に戻ってきたアブラハムの子孫、ダビデはここヘブロンでイスラエル王国を建国したという重要な場所。

マクぺラの洞窟事件

マクぺラ洞窟は2つの区画に分けられていてユダヤ教徒とイスラム教徒の礼拝の場。1994年2月25日、アメリカ出身のユダヤ人医師でユダヤ極右思想の活動家が祈りに来たパレスチナ人ムスリムに向かって銃撃。

イサクの嫁探し

アブラハムは140歳になっていた。息子のイサクは40歳。アブラハムはイサクに故郷ナホルの親戚から結婚相手を探すことにした。その条件はカナン人では無い事、故郷のナホルの親戚である事、カナンに連れてくる事。

アブラハムの使いエリエゼルはラクダ10頭と高価な贈り物を持って旅立った。

使いのエリエゼルは井戸のそばで神に祈った。するとそこへリベカが水を汲みにやってきて彼が祈った通りの言動、水瓶から水をエリエゼルに飲ませてラクダにも水を飲ませた。

エリエゼルは持ってきた装飾品をリベカに贈りリベカの家族に会って一部始終を説明した。

リベカもこれは神の決めた事と納得してエリエゼルと共にイサクの元へ行った。

実はアブラハムはもう一度結婚し子供を得る

実はアブラハムはもう一度結婚して子供を得ているのだ。本当はこの章はここで終了しようと思っていたのだが気になったので聖書を読み進めてみた。

創世記25章1:アブラハムは再び妻をめとった。名をケトラという。彼女は六人の子供を産んだ・・・とある。まあいいけど。

アブラハムの最後

アブラハムが生きたのは175年である。アブラハムは高齢になり歳が満ちて息絶えた。息子のイサクとイシュマエルによってマクベラの洞窟に葬られた。

 

投稿者: 大森由美

スペインに1989年から住んで日本からのお客様と旅に行ったり美術館を巡ったりしています。お休みの日は夫とキャンピングカーで放浪、スペインに長年住んでもスペインが大好きで日本から来たお客様にもスペイン大好きになってもらうために働いています。趣味はバイオリンとスキーとワイン。