カルタヘナ(スペイン、ムルシア)は遺跡と海がある素敵な街、ハンニバル将軍はここからローマ遠征に出発した

スペイン南東部のカルタヘナへ行ってきた。マイナー観光地だが小さな街で治安も良く遺跡がいっぱい。アルチェナの温泉の帰りについでに寄ったのだがとっても素敵だったので記事にしてみた。車があればアルチェナの温泉やムルシアと繋いで楽しめる。スペイン2回目3回目のスペインファンの方々やヨーロパやスペイン在住者の方に、もちろんスペイン初めてでも歴史好き小さな街好きならカルタヘナは超おすすめです。

カルタヘナ(スペイン)


スペインのカルタヘナはスペイン南東部、バレンシアやアリカンテの少し南に位置するレバンテ地方ムルシア州にある。今もスペイン海軍=アルマダの基地が置かれている軍港でも有名だ。大きなクルーズ船も訪れる地中海に面した綺麗な街カルタヘナを紹介します。

<カルタヘナの位置>

スペイン、カルタヘナの場所
筆者作成

カルタヘナへの行き方

<マドリードから>

*車で約5時間 520キロ

*スペイン国鉄Renfeでアトーチャ駅から4時間20分

*長距離バス、南バスターミナルから5時間45分

<バレンシアから>

*スペイン国鉄 Renfe で約4時間

*長距離バスで4時間30分

<グラナダから>

*グラナダから長距離バス で4時間30分

など、他都市からも乗り換えなどでアクセス可能です。

カルタヘナはカルタゴの将軍が造った街

フェニキアの植民地だったカルタゴ(現チュニジア)が次第にシチリア島を巡りローマと対立しポエニ戦争が始まった。第一次ポエニ戦争で負けたカルタゴの将軍ハミルカル・バルカ(ハンニバル将軍の父親)は傭兵の反乱を治め名声を得て新天地の開拓を目指す。

ハミルカル・バルカは本国カルタゴからの干渉を受けないイスパニア(現スペイン)に出征するが道半ば戦死。娘婿のハスドルバルがカルト・ハダシュト(新しい都市)として建設したのが今のカルタヘナ。紀元前227年頃のことだ。

ハスドルバル亡き後ハミルカルの息子ハンニバルが第二次ポエニ戦争においてカルタヘナからイタリア侵攻に出発している。

象を使った第二次ポエニ戦争で最初は有利だったカルタゴだったがスキピオ・アフリカヌスによってカルタヘナは征服され街は略奪されローマ化しカルタゴ・ノバ(新しいカルタゴ)と呼ばれる。

カルタヘナは魅力的な街だ、街はとっても小さく徒歩で回れる

カルタヘナの街は小さくこじんまりしてて大体のものが中心部にギュッと集まっている。私たちは1日でカルタヘナの観光をした。

4〜5時間で徒歩だけで充分楽しめる。私たちが最初に入ったローマ劇場のお兄さんが親切でいっぱい教えてくれたので言われた通りにまわったので参考にしてください。

カルタヘナ(スペイン)の観光


カルタヘナの見どころは大体徒歩圏内にあるので綺麗な街を歩きながら楽しめる。

<スペイン・カルタヘナの地図>

カルタヘナの地図
筆者作成

カルタヘナ・ローマ劇場

何と街の中心部に2000年前のローマ劇場がある。ポエニ戦争でカルタゴを破ったローマはカルタゴの街を徹底的に破壊し全てローマ化した。

<スペイン・カルタヘナのローマ劇場の入り口>

カルタヘナのローマ遺跡
筆者撮影

(写真上)いったいここがローマの遺跡の入り口なのかという住宅の入り口から入っていく。

建物の中にはいってしばらく展示場を見ながらエスカレーターを登っていくと外に出て視界が開けると古代ローマの劇場が綺麗に残っている。

<カルタヘナのローマ劇場>

カルタヘナのローマ遺跡
筆者撮影

 

カルタゴの城壁

ローマによってカルタゴは徹底的に破壊されたのでどこにいってもカルタゴの遺跡は見ることができないがここに城壁跡を見ることができる。

<カルタヘナのカルタゴの城壁>

カルタヘナのカルタゴの城壁
筆者撮影

スペイン語ではムラヤ・プニカ=Muralla Punica、内部にはポエニ戦争の資料と映像で歴史の説明があった。

<カルタヘナ、カルタゴの城壁>

カルタヘナのカルタゴの城壁
筆者撮影

地下に降りると城壁が綺麗に残る。

<スペイン・カルタヘナのカルタゴの城壁>

カルタヘナ、カルタゴの城壁
筆者撮影

フォロ・ロマーノ

ポエニ戦争でローマに負けたカルタゴの街はローマによって徹底的にローマ化されていった。フォロ・ロマーノはローマの政治経済の中心だった。

<スペイン・カルタヘナのフォロ・ロマーノ>

カルタヘナのフォロ・ロマーノ
筆者撮影

パノラマ・エスカレーター

城壁跡を歩いていくと立派なエレベーター(有料)。上に登るとカルタヘナの街が一望。

<スペイン・カルタヘナのパノラマ・エレベーター>

スペイン、カルタヘナのエレベーター
筆者撮影

エレベーターを降りて少し登っていくとこの景色。入江になっていて当時はもっと小さな小島のような半島だった。

<スペイン・カルタヘナの展望台から>

カルタヘナ、展望台
筆者撮影

現在のカルタヘナの街は埋め立てられて広がっているがカルタゴの頃は小さな小島のような半島で入江に佇んでいた絶好の要塞都市だった。

<カルタゴの頃のカルタヘナ>

カルタゴの街をカルタヘナの地図で
筆写作成

エレベーターを登ると上はお城になっていて歴史展示室になっていた。

 

海底考古学博物館

ヨットハーバー近くにある近代的な建物は海底考古学博物館。図書館や研究所を併設している。

<カルタヘナ海底考古学博物館>

スペイン、カルタヘナ
筆者撮影

ここの目玉はフェニキア人が使っていた木造船。

<カルタヘナ海底考古学博物館>

カルタゴ、海底考古学博物館
筆者撮影

古代船の説明で船の形が変化していった様子がわかる。

<カルタヘナ海底考古学博物館>

スペイン、カルタヘナ
筆者撮影

遊覧船

ヨットハーバーから観光用の遊覧船が出ている。私たちは時間がなくて乗らなかったが海側からカルタヘナを見るのはきっと楽しいに違いない。

<カルタヘナの遊覧船>

カルタヘナの遊覧船
筆者撮影

カルタヘナ市立博物館

市立博物館は街の商店街の方にあるので少し離れていてローマ劇場から徒歩で25分ほどかかる。

カルタヘナ市立考古学博物館
筆者撮影

小さな博物館で小学校の子供たちが見学に来ていた。入場無料。

<カルタヘナ市立博物館>

カルタヘナ、市立博物館
筆者撮影

有史以前からのものが展示されていてこじんまりしているので見学しやすい。ここの係りの人もとっても親切で色々カルタヘナのことや行くべきところなど教えてもらった。

<カルタヘナ市立考古学博物館>

カルタヘナ、市立博物館
筆者撮影

カルタゴの出土品で宗教行事などに使った香炉。

<カルタヘナ市立考古学博物館>

カルタヘナ、市立博物館
筆者撮影

ヘレニズムのイヤリングはとても繊細で今でも使えそう。

<カルタヘナ市立考古学博物館>

カルタヘナ、市立博物館
筆者撮影

その他ローマのモザイクや彫刻などが展示されていた。

カルタヘナのバル街

バル街はフォロ・ロマーノ近く。バルの合間に何気なく遺跡があったりするのがカルタヘナっぽいのか。値段も安くて人も感じがいいのが嬉しい。

<カルタヘナのバル街>

スペイン、カルタヘナ
筆者撮影

 

コルティーナ海岸 CALA CORTINA

ここは徒歩では無理なので車、タクシーなどを利用になる。夏は地元の人たちで賑やかだというが私たちが行ったのは1月で静かだった。

<カルタヘナ、コルティナ海岸>

カルタヘナのコルティーな海岸
筆者撮影

近くにスペイン内戦の時の防空壕が残っていた。海軍基地があるカルタヘナは内戦で随分破壊されたらしい。

<カルタヘナ、コルティナ海岸>

スペイン、カルタヘナ
筆者撮影

ビーチの前にバルレストラン、1月でしたがみなさん海の前でお茶したりお食事したりのんびりでした。

<カルタヘナ、コルティナ海岸>

カルタヘナの海岸
筆者撮影

私たちは軽くお食事をすることに。写真はチャンケテ(chanquete)というシラスのフライ。

<カルタヘナ、コルティナ海岸>

写真下「カフェ・アシアティコ=cafe asiatico」はアジア風コーヒーという意味。ローマ劇場の人に勧められたので頼んでみた。リキュールとかクリームは入ったコーヒーでお店の人曰くこれは「ムルシアでは飲まなくて、カルタヘナだけの特別」だそう。

<カルタヘナのコルティナ海岸>

カルタヘナの海岸
筆者撮影

カルタヘナを短い動画で紹介しています


 

カルタヘナまとめ


たまたまムルシアの近くの温泉(アルチェナ)に行ったので帰りにどこへ行こうかとカルタヘナに寄ってみたが意外といい街で気に入った。街の規模はとっても小さくて治安も良く海があって遺跡があって最高の街でした。スペインのルートにカルタヘナを入れてみてはいがかでしょう。