シュルレアリスムを簡単にわかりやすく説明してみた

シュルレアリスムというと最初にダリやミロの絵を思い浮かべる人が多いと思う。スペインの近代画家のピカソ、ミロ、ダリを理解しようとすると必ず出てくる言葉がシュルレアリズムだ。

シュルレアリスムは20世紀の芸術運動で無意識の世界を扱った、もともとは自動書記=オートマティスムと言って文章を自動的に描いていきそのスピードを速めるという実験から始まった。この記事ではちょっと難しいシュルレアリスムを簡単にわかりやすく解説してみる。

シュルレアリスムとは


シュルレアリスムの前にシュルレアルとは?

シュルレアルはフランス語、Surシュルは接頭語の「~の上」にと言う意味でここでは「~の上」=「超」という意味で使われている。レアルは現実なのでシュルレアルは超現実。

日本で時々広告等のキャッチコピー等に使われる「シュールな~」というとあまりにも現実から離れた非現実的な現象と言う意味だ。本来のシュルレアルというのはその逆で滅茶苦茶現実的という意味の「超現実」。「超早い」「超安い」とか「超かわいい」と言う時に使う「超」なので滅茶苦茶に現実という超現実の事をシュルレアルという。

シュルレアリスムはシュールではないのです。

という事で「シュールな世界」「シュールな絵画」など日本では奇抜で想定を超えたという意味で使われる「シュール」はシュルレアリスムの本来の意味から離れて独り歩きをしてしまった。

そしてシュール・レアリスムという言い方は間違いで正しくはシュルレアリスム。シュルレアルでひとつの単語でそれがイスム=主義という言葉が付いてシュルレアル主義。シュールで切り離さないしシュール・レアリスムではなくシュルレアリスムなのです。

シュルレアリスムは最初は文章だった

アンドレ・ブルトン

シュルレアリスト、アンドレ ブルトン
De Henri Manuelhttp://obviousmag.org/dos_vestigios_da_medusa/174breton.jpg, Dominio público, Enlace

シュルレアリスムはアンドレ・ブルトンというフランス人が始めた芸術運動。アンドレ・ブルトンは詩人で文学者で大学では医学と心理学を学んだ。

アンドレ・ブルトンは第一次世界大戦の時に精神病院で務めているが、この時の体験がシュルレアリスムの登場に大きく影響を与えているだろう。精神病院で戦争のストレスで苦しむ兵士にフロイトの精神分析の自動書記に触れ後の自動記述=オートマティスムに展開していく。

オートマティスム=自動書記とは

アンドレ・ブルトンが実験した自動書記=オートマティスムはとにかく何も考えずに文章を書く。そしてそのスピードをどんどん速くしていくと超越的な文章になって行く。余分な物が無くなって次第に物事の本質や心の深い深い部分=無意識の世界に到着する。又は超越な存在と繋がって行く、という感じだ。

理性や社会や立場や常識を取り払って人間の思考を表に出していく。私たちの考えや行動は理性や立場によっていつも拘束されているのだ。そこからの開放を目指した。

文章を書くのはシュルレアリスムだ

そういえば書くという行為自体が自動的だ。手紙にせよレポートにせよ文章を書い当ているときに最初から構成をすべてきちんと作って書いているケースの方が少ないのではないか。自然に自動的に頭の中にある物を組み立てて書いていくうちに文章が出来ていく。又は手が勝手に文章を書いていく感じは誰にでもあるだろう。

これは無意識の部分から泉の様に溢れてくるワードを手が書いていく作業。そう、書くという行為は無意識とつながっている。

アンドレ・ブルトンは自動書記の実験をしながらどんどん書くスピードを速くする実験をしてその文章を発表した。そしてシュルレアリスムが始まった。

フロイトの影響

アンドレブルトンが第一次世界大戦で精神的に壊れた兵士の治療にあたりフロイトの精神分析に出会っている。当時フランスではフロイトは未だあまり知られていなかった。

個人の意識より無意識や夢、偶然性などを重視したフロイトの無意識の世界がシュルレアリスムに大きく影響を与えている。

アンドレ・ブルトンが自動記述で書いた溶ける魚

1924年にブルトンがシュルレアリスム宣言と共に刊行した作品。自動記述で書いていったものが刊行された。内容はブルトンの記憶の泉から湧きだした物語。

シュルレアリスムの絵は大きく分けると2種、ミロ型とダリ型

*ミロ型*

自動記述を利用し自意識が介在出来ない状況下で絵を描き無意識の世界を表現。具象的な物が無く記号的なイメージで抽象画に近づいていく。

 

*ダリ型*

不条理な世界やあり得ない組み合わせを写実的に描いた。夢や無意識の世界でしか起こらない奇妙な世界を写実的に描いた。

シュルレアリスムまとめ


ダリやミロ等の絵画からシュルレアリスムを理解しようとする場合が多いと思うが絵から入るとなぜこんな不思議な作品を画家が描いたのか悩む。本来は文章から始まり自動記述を理解すると何故シュルレアリスムの絵画があの様な不思議な作品になって行ったかが理解できる。シュルレアリスムを理解するのに無意識や自動記述は避けて通れない事柄なのです。芸術家たちがもっと深い深い所へ、遠い世界へ到達しようとした作品がシュルレアリスムの絵や彫刻や映画になった。