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知らない町で
あの時はある日本の偉い方の同行で「行ったことはあるけど曖昧な記憶」の世界遺産の、でもあまり有名でもない街をご案内する行程になっていた。地図も見つからずとりあえず「エイッ」「気合で何とかなるッ」と歩き始める事にした。
ヨーロッパの街は大体慣れると中心があるので知らなくても何とかなることが多い。たいてい真ん中に教会と市庁舎その周りに寄り添うように人々が集まって町が作られ親鳥に寄り添う小鳥たちみたいだ。
旧市街に入り「どっち向いて歩こうか」って思っているところにお客様の携帯電話が鳴った。どうやら御家族からみたいで旅の事やら家の事やらしばらく会話は終わりそうにない。聞いていると申し訳ないので少し遠慮して離れたところに移動した。
そこに木のベンチがあって広告みたいな紙が折りたたんで置いてある。見逃しても構わないくらいに落ちているのか置いてあるのか。別にどうってこともないけど電話も終わりそうにないし何気にそれを手に取ってみた。
「・・・・・」「うそでしょ」
なんとそれはその街の地図。目を疑うとはこの事で「嘘でしょ」って何回も心の中で叫んだ。
電話は結構な長電話だったのでその間に回り方を決めて見るべきものを確認してまるで良く知っている街のように観光を終えることが出来ました。
これって偶然?それとも奇跡?
その後サンティアゴに行く日だったので「サンティアゴ様有難う~」と大聖堂で感謝のハグしてきました。
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