宗教画は意外と面白い。楽しむポイントを解説。

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美術館を楽しむ鍵はキリスト教とギリシャ神話

ヨーロッパの美術館を回るとキリスト教の宗教画とギリシャ神話が中心。楽しむためには基礎的な知識が必要です。ほんの少しの知識で美術館は何倍も楽しくなるものです。

今日はキリスト教の宗教画の楽しみ方をご紹介。プラド美術館の作品を中心にそれ以外の物も交えてキリスト教の聖人達を見ていきます。

アトリビュート(象徴物)もともとはうまく絵が描けなかった頃これが誰それ聖人かがわかるように少しづつ決まっていったもので曖昧なものもずいぶん多い。

鍵  聖ペテロ

イエス・キリストの一番弟子ペテロはもともと漁師。イエスが彼を弟子にするときに「私についてきなさい。貴方を人間を釣る漁師にしてあげよう。」「そして貴方をペテロ(岩)と呼びその岩の上に我々の教会の基礎を作ろう」「貴方にこの鍵を捧げよう。天国の鍵を」ということで彼の象徴物は鍵。たいてい黄色い服を着て天国の鍵を持っています。ペテロが殉教したところが今のサンピエトロ寺院。私は貴方をペテロ(岩・イタリア語でピエトロ)と呼びその岩の上に我々の教会を…の言葉が成就したということでバチカンのサンピエトロ寺院がカトリックの総本山に。ローマ法王はペテロの後継者。

ジュゼップ・リベラ(ホセ・リベラ)

聖ペテロ  黄色い服に鍵 プラド美術館

リベラの時代はスペインの宮廷でのスペイン画家はあまり重宝されずイタリアのナポリで活躍した。カラバッジョの明暗法を継承しレアリズムの画家として人気。聖人を描いているのに理想像ではなく現実の人間臭い感じがリベラらしいところです。額の皺の深さにモデルはおそらくナポリの漁師。

 

 

エル・グレコ

聖ペテロ 黄色い服に鍵 グレコの家博物館

エル・グレコはギリシャ人画家。トレドに移住してほとんど注文主が教会だった。ベネチアで修業したので彼の色はベネチア派からの四原色。シリーズで12弟子を描いている現存する中のひとつ。聖ペテロ。トレドのエル・グレコの家に行くとシリーズ12弟子全員そろってが見れます。

 

 

ルーベンス

聖ペテロ 鍵  プラド美術館

フランドルの画家ルーベンスは画家だけでなく人文学者で外交官もやっていた。イタリアのマントバ公からスペイン王フェリペ3世へのプレゼントを抱え外交官としてスペインにやって来る。通常は黄色い衣装なんですがグレーっぽいですね。

 

 

逆さ十字 聖ペテロ

同じく聖ペテロはローマで逆さ十字の刑に会うので逆さ十字の絵も。聖ペテロが逆さ十字に会ったところにサン・ペテロ教会(イタリア語でサン・ピエトロ教会)創られた。今のカトリックの総本山です。

カラバッジョ

聖ペテロ バジリカ・デ・サンタ・マリア・デル・ポポロ(ローマ)

エウヘニオ・カヘス

聖ペテロ トレド大聖堂

盃 聖ヨハネ

12弟子のヨハネはキリストに最も近く愛された。たいていいちばん年齢も若く作品になる。エフェソスで毒のお酒の飲まされて殺されかけたが盃が蛇になって逃げていって助かったという話から象徴物は盃。

エル・グレコ

聖ヨハネ プラド美術館  お約束通り若く誠実そうに。盃にドラゴン。

 

 

ルーベンス

聖ヨハネ プラド美術館  ルーベンスらしく肉感的。肌の色の透明感や髪の巻き毛が綺麗。盃を持っています。

 

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洗礼者ヨハネ 毛皮と生首

同じヨハネですがこちらはもっと年上。イエス・キリストのまたいとこで荒野を禁欲生活をおくりながら人々に水を使って洗礼を行っていた。ラクダの毛皮をまとっていたので象徴物の一つは毛皮。イエス・キリストにも洗礼を行ったので良く絵画にキリストの洗礼の場面がある。「悔い改めよ、天国は近づいた」とお説教していた。最後はヘロデ王とサロメの策略で斬首されるのでサロメが生首を持っている絵画もよくあります。

毛皮

エル・グレコ

洗礼者お羽キリストの洗礼     プラド美術館                          右側が洗礼者ヨハネ腰に毛皮  かなり晩年の物なので縦に引き伸ばされている感じ。

エステバン・ムリーリョ

幼子の洗礼者ヨハネ  プラド美術館

毛皮見えにくいですが背中側のあたり。犠牲を現す子羊。

 

 

レオナルド・ダ・ビンチ

洗礼者ヨハネ ルーブル美術館                                    誘ってる感じですがお約束の毛皮を着て十字架を持っているので洗礼者ヨハネです。

生首

洗礼者ヨハネは「悔い改めよ、天国は近づいた」と言って人々にお説教をしていた。エルサレムの王ヘロデ・アンティパスが兄弟の妻を娶ったのを非難していた。妻ヘロデアの娘がサロメ。王の誕生日会でサロメがうまく踊った褒美に欲しいものは「洗礼者ヨハネの首」と言ってっ首を切られて亡くなったのが洗礼者ヨハネ。その特異性と聖書の中の重要性から絵画のテーマに古くから使われている。オスカーワイルドの戯曲やシュトラウスのオペラなど数々の作品になっている。

ティチアーノ

洗礼者ヨハネの首 プラド美術館

カラバッジオ

洗礼者ヨハネの首 マドリッド王宮

カラバッジオらしくドラマチックで光の扱いも舞台みたいにドキッとさせる。

 

 

聖母マリアの服の色

聖母マリはは基本赤い服にブルーのベール。おそらく12世紀頃から真実、慈悲を現すブルーに血や愛を現す赤が使われる。その他純潔をあらわユリ、12の星の冠や三日月などがアトリビュート(象徴物)として一緒に描かれる。例外はフランドル絵画ではブルーのみ又はブルーの服に赤いベールの場合もある。19世紀にローマ法王ぴお9世により無原罪の御宿りの教義において聖母の衣装は白になる。

 

ベラスケス

聖母戴冠  プラド美術館

エル・グレコと工房

聖母マリア プラド美術館

フラ・アンジェリコ

聖母マリア プラド美術館   アルバ家からプラド美術館が最近入手2200万ユーロ位?。15世紀の板にテンペラ。ブルーの色が鮮やか。

 

 

青という色は人間が本質的に好む色かもしれません。生命は海からやってきたなら命の根源を感じるからなのか様々な絵画に綺麗なブルーが使われそれを見た人間が癒されてきた。ブルーはラピスラズリからとるのでたいへん高価なもので希少価値のあるものであったのも聖母に使うのにふさわしいと昔の人は感じたのかもしれません。

車輪  アレキサンドリアの聖カタリーナ

アレキサンドリアの知事の娘。3世紀頃当時の最高の教育を受けたカタリーナは母親の影響でキリスト教徒に。迫害者ローマ皇帝マクセンティウスのもとに行きキリスト教の迫害を非難する。手足を車輪に括り付けて転がされるという拷問を命じられるがカタリーナが触ると車輪はひとりでに壊れた。その後斬首刑。

カラバッジオ

聖カタリーナ  ティッセン・ボルネミッサ美術館

カラバッジオのドラマチック感が出ていて挑戦的な視線。今振り返ったばかりな感じ。 光の当たり方などドキッとする作品。綺麗な赤い座布団の上には殉教聖人を現す棕櫚の葉っぱ。

 

フェルナンド・ヤネス

聖カタリーナ プラド美術館

足元に壊れた車輪。

 

眼球 聖ルシア(サンタ・ルチア)

びっくりな絵ですがシラクサの聖ルシアはディオクレティアヌスの時代キリスト教を捨てるよう強要される。のどを切っても死なないので目をくりぬかれた。ルシアはラテン語で光という意味luxから。今も光の神様。目の悪い人の守護聖人。冬至の少し前12月13日がサンタ・ルシアの日。一年で最も日照時間が短い時期に光に帰ってきてもらうためサンタルシアを祝った。

作者不詳

聖ルシア(ルチア) プラド美術館  お盆の上に目玉が2個 棕櫚は殉教聖人を現す。ギョッとしますが見ているうちに見慣れます。

スルバラン

聖ルシア(聖ルチア) フランス・シャルトル美術館  お盆に目玉

乳房 聖アガタ

シチリア島カターニアの裕福な貴族の生まれの美しい娘。子供の頃にカトリック教徒として神に身を捧げる決意をしていた。ローマの総督が彼女の美貌と財産に目をつけ求婚するが断られ腹いせに牢屋に入れ乳房を切り落とす。祈り続けると傷が完治するがそのあと火あぶりの刑で殉教。

スルバラン

聖アガタ フランス・モンペリエ・ファーブル美術館  これもギョッとします。もっとむごい感じものあります。スルバランの聖女達はファッション雑誌みたいで綺麗です。

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残酷なのが多かったですかしら・・・キリスト教の宗教画は色々見ているうちに面白くなってきませんか?美術館はいろんな切り口で楽しめます。プラド美術館に行ったら知っている聖人たちを探してみてください。

プラド美術館を有名な作品見逃さずに効率よく回れるコースを考えました。         <プラド美術館無駄なく回る1時間コース>

 

アスタ・ルエゴ

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