バルセロナの魅力<ガウディだけじゃない魅力的な街バルセロナ>

 

バルセロナは歴史の古い街で地中海に面した陽光明るい都市。あまりにもサグラダ・ファミリア教会やアントニ・ガウディが人気ですがバルセロナの街はローマの遺跡中世がそのまま残り海と山に囲まれた経済活動盛んな魅力的な街です。今はスペイン17州の中のひとつ「カタルーニャ州の州都」ですがもともとはカタルーニャは「ひとつの国家」でその首都がバルセロナ。スペインという国が出来るより前からあった国でした。最近は近代建築も創られていて今も変化を続けているダイナミックな街です。今回はアントニ・ガウディ以外バルセロナをご紹介します。

ゴシック地区<バリオ・ゴティコ>

13世紀から15世紀の中世の街が残る地区。バルセロナ旧市街ランブラス通りの東側から大聖堂の後ろ側一帯に中世の建物がそのまま連続して残る。大都会の中に時間を止めた古い町並みが残されていて素敵なバルやブティックなども街並みに溶け込んで共存している地区。これがバルセロナの魅力のひとつ。

通りを歩くと人が住んでいる生活感、路地に入って行くと何百年もの人が生きてきた重みを感じる。私はこの地区が大好きでバルセロナを訪れると目的もなく歩きに行く。この中世の街のすぐ下にローマの遺跡が残り今も一部見学が出来る。紀元前一世紀頃に大聖堂のあたりに住み着き3世紀頃には要塞化していく。

最近は古い集合住宅が短期滞在者用のアパートホテルなどに変えられ住民が追い出されるケースが出てきた。早く行政が対応して住民を守ってもらいたいと心から願う。ロマネスク教会やカタルニャゴシック教会が点在しピカソ美術館もこの地区にある。是非とも足を踏み入れてさまよってこの町の魅力を感じて下さい。ヨーロッパに古い街はたくさんあるけれどこんな大都会の中に連続して13世紀から15世紀の建物が残っているところは他にあるんでしょうか?

 

<ゴシック地区・大聖堂>

バルセロナ、カテドラル

バルセロナの大聖堂は殉教聖人サンタ・エウラリアに捧げて創られたカタルーニャ・ゴシック様式の建造物。内部の地下へ降りると地下聖堂がありサンタエウラリアが埋葬されている。カタルーニャ・ゴシックは通常外側にあるフライングバットレスの部分を内側に入れ込んだ内部が広い様式。4世紀にはここに小さなバシリカが作られ11世紀にロマネスク様式の教会に変わり13世紀末から150年間位で作ったのが現在の大聖堂。サグラダファミリアがあまりにも有名ですが街の大聖堂はここ。地元の人はセウと呼ぶ。日曜日には前の広場に人が集まり「サルダーナ」を踊っている。この踊りはフランコの独裁政権時に禁止されたカタルーニャのアイデンティティそのもの。クリスマス頃は前の広場でクリスマスマーケットが開かれる。

<行き方>

地下鉄4号線Jauma I から徒歩5分

<時間>

8時から12時45分(日曜~13時45分)17時45分~19時30分(土日は17時15分から20時)

注意・極端に短いパンツやスカート、肩の出た服装では入場できません。お祈りの場なので教会に対する礼儀に気をつけましょう。

<ゴシック地区>・サンジャウマ広場(ジェネラリターと市役所)

大聖堂向かって右側の石畳通り(Carrer del Bisbe Irurita)をサンジャウマ広場に向かって歩くとそこは中世のムード。その先にカタルーニャ自治政府庁<パラウデラジェネラレイタ>カタルーニャが国家だったころからあるカタルーニャ政府の建物。現在の物は15世紀から17世紀にかけて建てられた。

向かいにはバルセロナの市役所。正面は19世紀だが横の方は14世紀のゴシックの建築が残る。パラディス通りに入るとローマ時代の神殿の円柱が残る。アウグストゥス神殿の遺跡。

<ゴシック地区>王の広場

バルセロナ王の広場

バルセロナはフランク王国がイスラム教徒の砦として創った伯爵領でそのバルセロナ伯爵の屋敷があった広場。コロンブスが最初の航海から戻ったときにイサベル女王に謁見をした場所。この下にはローマ時代の遺跡。

<ゴシック地区>バルセロナ市立博物館
バルセロナ歴史爆物館
http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0

バルセロナ旧市街ゴシック地区の地下はローマ時代の遺跡。建物自体が14世紀の建物で中に入ると地下に広大なローマ時代の遺跡を見ることが出来圧巻。ローマの遺跡は地中海沿岸諸国色々なところで見れますが現代の街の下に広がる遺跡を見れるところは他に聞いたことが無い。パリやロンドンもローマの街の上に創られていることを考えると地下にこのような広大な遺跡が今もきっとあるんだと思いをめぐらせてしまう。

<時間>

火曜から土曜 10時から19時 日曜10時から20時月曜休み

 

<ゴシック地区>サンタ・マリア・デル・マル教会

海の聖母教会

この地区の教区教会で今も使われているサンタ・マリア・デル・マル教会。カタルーニャゴシック様式ではたぶん最も美しい教会。創られた当時はすぐそこが海で「海で働く男たち」を守るマリア様に捧げて創られた。海の男たちが聖母の教会を作るため持てる僅かな財源を捧げ奉献した。毎日石を運んだ様子が正面入口に彫刻で残っている。内部は荘厳で静謐。私はバルセロナに行くと時間があればここへ行くと心が洗われるようなすがすがしい気分になれる。柱が細くて繊細なイメージで垂直線がどこまでも軽やかで昔はきっと海の音が聞こえたんだと想像しながら。

注意・地元の信仰の対象の大切な教会です。お祈りしている信者さん達やミサの時は適切な敬意が必要です。

<行き方>

地下鉄4号線 JaumaI 徒歩5分。

<時間>

9時から13時(日曜10時から14時)、17時から20時30分

<ゴシック地区>ピカソ美術館
ピカソの母
museo de picasso barcelona

この絵はピカソ15歳の頃の作品。紙にパステルで描いた母親の横顔。下を見ながら編み物でもしている様な目のとらえ方。優しいムードに包まれた作品。

 

ピカソは南スペイン,アンダルシアのマラガで生まれ青年時代をバルセロナで過ごしている。この美術館があるモンカダ通りは裕福なモンカダ一族の名前が取られた中世のお屋敷街で通りも広く中庭の有る門構えのしっかりした建築が続く。そのいくつかを利用して創られた美術館。ピカソ美術館は他の国にも沢山有りますがバルセロナが凄いのはピカソの若いころの物が充実している。ピカソの親友の寄贈とその後ピカソの家族からの寄贈の作品が中心なのでピカソの家族や身近な人々が作品の中に登場して暖かい気持ちになる。中学生くらいのピカソの作品や青の時代バラ色の時代等年代順に置いてあるので若いころのピカソの作品を楽しめる。

<行き方>

地下鉄4号線 Jaume I 徒歩5分

<時間>

火曜から月曜 9時から19時 木曜9時から21時30分

月曜休館(2017年7月24から9月25まで月曜試験的に開館)木曜18時から無料

 

<注意>たいていいつも大変混んでいます。入場券を買うのに何時間も待つことが多いのでネットで予約を入れていくことをお勧めします。

ピカソ美術館の予約のページに飛びます(英語)(https://entrades.eicub.net:8443/muslinkIII/venda/index.jsp?lang=3&nom_cache=PICASSO&property=PICASSO&grupActiv=1

カタルーニャ美術館

Museo  Nacional d`Arte de Catalunya

カタルーニャ美術館
By Sergi Larripa (User:SergiL) –  CC 表示-継承 3.0, Link

 

バルセロナの街の西側、モンジュイックの丘にある国立美術館で中世から20世紀までのカタルーニャ美術を中心としたコレクション。言葉を失うほどの素晴らしいコレクションで「ルネッサンス以前のヨーロッパ美術だけに絞る」とおそらく世界一のコレクション

見どころはロマネスク壁画の収集。雨の多いピレネーの山の中にある小さな村の教会のフレスコ画が湿度で傷みが激しくなっていた。ロマネスク教会は壁構造だったため壁画が多い。19世紀の終わりに国立美術館の技術者を総動員して小さな村の教会からフレスコ画を丁寧に細密にはがして移築した。祭壇画や木製の十字架等この美術館のロマネスク美術は他で見ることはできないレベルと量。

12世紀から13世紀の物なのでまだ緻密な表現、バランスも悪く単純な構図。キリストの頭が歪に長く目がアニメに出てきそうなくらい大きかったりする。どっしりとした存在感ドラマチックな構図はミロの絵のよう。独特の地中海ロマネスクの壁画はいくら見ていても飽きない程のユーモラスとバリエーション。

カタルーニャ美術館タウルのキリスト
https://en.wikipedia.org/wiki/Museu_Nacional_d%27Art_de_Catalunya

<行き方>

地下鉄 1・3号線 Espanya から徒歩10分

<時間>

毎日10時から20時(日曜日は~15時)

第一日曜と土曜の15時から無料。

モンジュイックの丘にはジュアンミロ財団美術館や考古学博物館、スペイン村、1992年のオリンピック競技場もある。

海洋博物館 Museo Maritim

海洋博物館
Fritz Geller-Grimm – Trabajo propioCC BY-SA 2.5

バルセロナ旧市街ランブラス通りの海側に立つコロンブスの塔のすぐそばにある博物館。造船所をそのまま使っているので巨大な実物大のガレー船と船の模型をそのまま展示。(7隻は14世紀3隻は17世紀の物)。バルセロナは古くから重要な港だった。実際にこの造船所は18世紀まで使われていた。カタルーニャが海洋帝国だった事が良くわかる。目玉はギリシャ沖レパントの海戦ホアン・デ・アウストリアが乗ったガレー船「レアル号」の模型。レパントの海戦は1571年足並みのそろわないヨーロッパ連合軍がオスマントルコを倒した海戦。

<行き方> 地下鉄3号線 Drassanesn 徒歩3分

<時間> 10時から20時毎日

まとめ

今もスペイン経済GDPの20パーセントを稼ぐカタルーニャの首都バルセロナは活気のある近代都市です。年間数多くの国際見本市も開かれホテル不足が問題。ホテルは早めに取りましょう。【Booking.com】世界のホテル割引予約

他にもまだまだ有るバルセロナの魅力。今回はゴシック地区中心ですがまた次回ほかのテーマでバルセロナを紹介したいと思います。写真が無くてやめたのはプエルト・オリンピコ(オリンピックの港)市内にある港へ行くとヨットハーバーの前にレストラン街、すぐ横にはビーチがあり海水浴が出来る。海も山も歴史もたっぷりで食も充実、サッカーは世界のトップ。こんな近代都市他にありますか?