普段何気なく使っている日本語に実は沢山のスペイン語があります。「エー―これも~?」と思うよう様な単語もあって日本とスペインのつながりの長さに「ジ~ン」と来るのは私だけでしょうか。中国にいたポルトカル商人が台風の風に流され種子島に偶然やって来て鉄砲が伝来し(1543年)その後フランシスコザビエルが鹿児島にやって来てキリスト教が伝わったのが1549年。イエズス会の宣教師たちはキリスト教が禁止された後も隠れキリシタン達にミサをあげるために命がけで五島列島に潜伏しました。1582年九州からキリシタン大名の遣いとして4人の少年たちがイエズス会の宣教師によってヨーロッパに派遣されました。これが「天正遣欧少年使節団」。その後1614年江戸時代には伊達藩の遣い「慶弔使節団」が日本からスペインにやって来ています。遠い国ですが私たちお付き合い長いんです。日本語の中のスペイン語ポルトガル語をまとめてみました。
カルタ Carta
カードの事をスペイン語でカルタ。もうあまりしないかもしれませんがカルタ遊びのカルタ。
カパ Capa>>カッパ
雨合羽(アマガッパ)なんて言葉はもう死後でしょうか。マント、表面にかぶせるもの。闘牛師の肩に掛ける布もスペイン語でカパ。
マール Mar>>丸
海の事をスペイン語でマール。船に「にっぽん丸」「カイリン丸」等とつける丸はスペイン語の海から。
パン pan
これは意外と思う方多いんですがスペイン語でパンはパンです。パン屋さんのパン。菓子パンのパン。
メディアス Medias>>メリヤス
編んだもの、伸び縮みする布地。ストッキングをスペイン語でメディアス。これが日本でメリヤスという言葉になる
イニエスタ Hiniesta>>エニシダ
春に黄色い花を咲かせる植物日本でエニシダと呼んでいる物をスペン語でイニエスタ。バルサのサッカー選手の名前です。イニエスタがなまってエニシダと呼ばれる。同じ植物をレタマRetamaとも呼びこちらは連玉と言われた。
タバコ Tabaco
コロンブスが新大陸に到着した時のお土産だったのがタバコ。スペインに持ち帰ってバルセロナから上陸したのでヨーロッパで最初にタバコを吸ったのはバルセロナの人達。その後日本に伝わったのでスペイン語でもタバコ。
カスティーリア Castilla >>カステラ
カスティーリア又はカスティージャはスペインの地域の名前。当時のスペイン大航海時代のカスティーリア王国の時代に日本にキリスト教が伝わった。スペインではビスコッチョというお菓子をカスティーリアのお菓子ですと紹介したのがカステラになったと言われている。
オジャ Olla>>おじや
オジャはスペイン語で鍋の事で今でも使う言葉。日本で鍋の後にお米を入れておじやにしますね。これもスペイン語からの借用です。意外ですね。
リアス Rias>>リアス式
スペイン北西部ガリシア地方にリアス・アルタス、リアス・バイシャスという入り組んだ海岸線がある。このリアスが日本語のリアス式海岸という言葉になった。
ボトン boton >>ボタン
ボトンはスペイン語で洋服に着けるボタンや機械にあるボタン。
ビドゥリオ VIdrio>>ビードロ
江戸時代にガラスでできた小さなおもちゃをビードロと呼んだ。口で吹くと音が鳴る。ビドゥリオはスペイン語でガラスの事。ポルトガル語でVidroビドロなのでこちらが近い。
ハボン Jabon >>シャボン
ハボンはスペイン語で石鹸の事。シャボン玉のシャボンです。ポルトガル語でシャボンなのでポルトガルからですね。
カラメロ Caramelo >>カラメル(キャラメル)
キャンディーの事をスペイン語一般名詞でカラメロという。カラメルソースとかキャラメル。
コンフェイトウ Confeito>>コンペイトウ
ポルトガル語です。今もある砂糖菓子の事。
コパ copa >>コップ
英語のカップより先にこちらが到着している。スペイン語でコパcopaポルトガル語でコポcopo。
オンブロ Hombro>>おんぶ
オンブロはスペイン語で肩の事。ポルトガル語もombro。おんぶに抱っこのおんぶ。
オチョ Ocho>>おいちょ
オチョはスペイン語で数字の8、ポルトガル語でオイトOito 。おいちょカブというゲームの名前になる。
バテイラ /バテリアBatera /Bateroa>>バッテラ
ポルトガル語で船、船団の事をバテイラ、スペイン語でバテリア。舟形に入れて作るからバッテラ寿司になった。
ボーロ Bolo >>ボーロ
ポルトガル語で丸いもの。日本に行って~ボーロという名前のお菓子に使う。
クルス Cruz>> 久留主、来栖
クルスはスペイン語で十字架の事。ポルトガル語も同じ。九州にクルスという苗字や長崎にある黒須島(クロス島)はこの十字架というスペイン語から。
アランビーケ Alambique>>蘭引
蒸留酒を作る器具。イスラム学者が発明した蒸留器具アランビックがスペイン・ポルトガルへ入りアランビーケとなり日本では江戸時代に薬油やアルコール類の蒸留に使った。
まとめ
まだまだいっぱいあって約400語位のスペイン語からの外来語があると言われています。ピンキリはピンタとキリスト、襦袢はポルトガル語の下着、水やりに使うジョーロや天ぷらもポルトガル語からと言われるが正確には不明でいくつかの説があるようです。使ったことないですが「なに~このアマ~」のAmaもスペイン語、ポルトガル語で家にいる女性や乳母等の事。主婦をama de casaアマ・デ・カサと今でも使う。鎖国の後オランダ人がやって来るのでその後オランダ語由来の外来語が増えていきます。私たちは知らないうちに実は沢山のスペイン語を使っていました。
最近では車の名前やマンションの名前オーディオ製品などにもスペイン語が良く使われていてプラサ(広場)やカーサ(家)は良く使われます。ディーガ(言って下さい)はDVDレコーダーの名前。日本車の名前は聞きなれたものが沢山です。シーマ(頂上)ファミリア(家族)スープラ(超越した)トゥルエノ(雷鳴)セレナ(穏やかな)プリメラ(一番目の)プレミオ(優れた賞)セリカ(天空)セフィーロ(西風)等。意外と身近にたくさんスペイン語があります。
アメリカの地名になっているスペイン語の記事
https://tabispain.com/spanish-name-of-city-ameria