美味しい食べ物が沢山あるスペインですが絶対食べて帰りたい物のひとつが生ハム=ハモン=Jamon。ところが生ハムはまだ日本では正しく紹介されておらず最高級品はほとんどスペイン国内で消費されるので日本で食べるチャンスはあまり無い。今日は生ハムの中でも最上級のイベリコのベジョータがあるメゾン・シンコ・ホータスというレストランを紹介します。
*とっても個人的な意見ですがパエリアは日本のパエリアの方が日本の方の口にあうのでスペインで食べなくても良いと思っていますが本物の美味しい高級生ハムはスペインでしか食べれないので試して帰っていただきたい!と強く思っています。
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メゾン・シンコ・ホータス
ワイナリーと牧場とレストランを経営する多角経営の企業が展開するメゾン・レストラン。現在マドリードに3店舗バルセロナとセビージャにそれぞれ1店舗ずつ。ここが持つ生ハムはカテゴリー最上級のイベリコのベジョータ。自社経営の牧場からやって来る自信の最高級生ハムを楽しめるメゾン・レストランです。
生ハムにはカテゴリーがあり豚の種類や豚の食べる飼料によって細かくクラス分けされている。メゾン・シンコ・ホータスには最上級のイベリコ(Iberico)のベジョータ(Bellota)が必ずある。その産地はハブーゴ村という生ハムの聖地にあたる地区だ。お店の名前シンコ・ホータスのシンコはスペイン語で数字の5、ホータはアルファベットのJの事。5つ星ホテルや3つ星レストランなどの格付けあるがここはハムの格付けを自社で5つJとレストランの名前に付けた。
<メゾン・シンコ・ホータス入り口>
生ハムの種類・カテゴリー
スペイン語でハム全体をハモン=Jamonというが一般的には生ハムの事だけをハモンと呼ぶ。日本でハムと呼んでいる物はハモン・ヨークやハモン・コシードと呼ばれている。そのハモンは更に豚の種類と食べた飼料で細かく分かれている。日本人にとってのマグロに似ている扱いでスーパーマーケットでも庶民派レストランでも高級レストランでもとにかくどこでも目にするがその違いは非常に大きい。
ハモン・セラーノ=Jamon Serrano
セラーノはスペイン語で山の事で山のハムという意味。日本でレストラン・メニューにある「生ハムメロン」に使うのはこのセラーノ・ハム。スペインのホテル朝食のブッフェに良く並んでいるのもこれです。主に白豚で豚の種類のほとんどがこの白豚。
ハモン・イベリコ=Jamon Iberico
今は希少価値が高くなったハモン・イベリコ(イベリコ豚)は黒豚で爪の所が黒いのでお店でつるしてあると爪の所を見ると良くわかる。イベリコ又はパタネグラとも呼ぶ。白豚より成長が遅く大量生産に向かないので広大な牧場で1ヘクタール当たり一頭位の基準で放牧する。
更にカテゴリー分け
その中でもドングリ畑で放牧をしたものだけをBellota=ベジョータと呼ぶ。ベジョータはスペイン語でドングリの事。途中他の飼料も与え放牧したものをセボ・カンポ、放牧をせず人工飼料も与えた黒豚をセボと呼び分けている。生ハムのラベルに明示されている。
メゾン・シンコ・ホータスはイベリコのベジョータの聖地ハブーゴからやって来る本物のパタネグラを持っているレストランなのです。
コルタドール・デ・ハモン=ハム切り職人
更に生ハムの味を左右するのはハムの切り方。マグロも切り方や仕留め方が味を左右するのと同じで生ハムも切り方が重要になる。機械切りの店も多い中ここは手で職人が丁寧に切ってくれる。脂身と赤みを上手にナイフを上下させながら一番おいしい状態に切ってくれるお店です。
メゾン・シンコ・ホータス・セラーノ店
メゾン・シンコ・ホータスは現在マドリードに3店舗。今日はセラーノ店に来ました。この辺りはハイソな地域で来ている方々もエレガントな感じで夏はテラスも素敵です。
<メゾン・シンコ・ホータス、セラーノ店>
店舗は小さく30席ほどのこじんまりしたお店です。写真下の右寄りにぶら下がっているのが生ハム=ハモンイベリコ。実はハモンというと後ろ足の事で前足はパレータと別の名前で呼ぶ。メニューには前足(パレータ)と後ろ足(ハモン)の両方ありハモン(後ろ足)の方が脂がのって美味ですがパレータ(前足)の方を好む人もいる。
(下)メゾン・シンコ・ホータスのメニューの最初のページ。一番上がハモンJamon(後ろ足)で2列目がパレータPaleta(前足)。値段は最初が一皿(ウナ・ラシオン)の値段で次のはハーフ・ポーション(メディオ・ラシオン)の値段。ハモンを一皿が24,5€ハーフポーションだと18€、パレータだと一皿が20,5€でハーフポーションで15€になる。
<メゾン・シンコ・ホータスのメニュー>
(下)カウンターに生ハムが置いてある。爪に注目、黒いのはパタネグラと呼ぶイベリコの証。
(下)生ハムを注文したので早速コルタドール(生ハム切り職人さん)が切りはじめたところをお断わりして写真撮らせていただきました。真剣勝負です。
切り方で味が違うと言われる生ハム切りはプロの職人の仕事。スペインでは生ハム切り職人のコンクールまである大変熟練のいる仕事。「あの人が切るハモンが食べたーい」と言われる職人がいるのだ。
(下)丁寧に一切れ一切れお皿に乗せていきます。赤みの間に少し白っぽい点が見えるのがイベリコの特徴。味は、甘い。高級マグロのトロに似ている。全く塩気を感じない口の中でとろける脂の甘味が心地良い。赤ワインのとの相性が抜群です。メゾン・シンコ・ホータスはワイナリーも持っているので美味しワインが有ります。
2人で一皿位は量的に丁度いいと思う、というかそれくらいは食べて帰ってくださいッ!スペイン語で注文の仕方は「ウナ・ラシオン・デ・ハモン・イベリコ・ポルファボール」ハーフポーションでいいなら「メディオ・ラシオン・デ・ハモン・イベリコ・ポル・ファボール」となります。ラシオン(racion)が一皿でメディオ・ラシオン(medio racion)が半分です。
生ハムと一緒にパン・コン・トマテpan con tomate はどうですか?と聞かれます。パンにトマトの擦ったものを塗ってある一品。これと一緒にハモンを頂きます。
夕食ならハモンとワインとパン・コン・トマテで終わってもスペイン的に丁度いい(スペインでは夕食は軽い)、もう少ししっかりいただきたい場合はカルタ(品書き)に色々なものがあります。これはイベリコ豚のステーキ。
イベリコの肉は焼いて食べるのに少し野性味が有るので味のしっかりしたソースでいただきます。中身が少しピンク色位が一番おいしい食べ方。70度過熱が豚肉を一番おいしく頂ける温度で菌も無くなるので桜色位で絶妙な焼き加減となる。
メゾン・シンコ・ホータスは現在スペイン合計5店舗、マドリード3店舗です
今回はセラーノ店(アメリカ大使館近く)に行ってきましたが他にマドリードならホルヘ・ホワン店(国立考古学博物館近く)とパドレ・ダミアン店(レアル・マドリード・サッカー場近く)、セビージャは闘牛場近くとバルセロナのランブラ・カタルーニャ店が有ります。うまく時間がある時に是非美味しい生ハムを召し上がって帰ってくださいね。
メゾン・シンコ・ホータスのホームページです
https://www.cincojotas.es/restaurante-5-jotas/
*注意*以前あったマドリードのアレナル店とサンタ・アナ店は現在閉店しています。このホームページにある5店舗(上記に書いた)が現在営業中。
グーグルマップ付けておきます。