旧約聖書の創世記11章1節から9節に出てくる短いお話がバベルの塔の物語。ノアの箱舟の後の人間たちが登場し非常に難解で解釈も様々だ。
Contents
旧約聖書の創世記バベルの塔の物語
旧約聖書、創世記のバベルの塔
この物語は絵画やテーマやゲームでも聞いた事がある人が多いのではないか。旧約聖書の創世記のノアの箱舟の物語の後に続く短い物語だ。バベルと言う名前はへブル語で混乱を現す言葉から来ているそう。
旧約聖書バベルの塔はノアの箱舟の後の物語
洪水の後神は人間に約束をされた。「私はもう二度と洪水を起こさない。産めよ増えよ地に満ちよ」
そしてそしてノアは洪水の後350年生き950歳で神に召された。
バベルの塔の聖書部分
聖書を読んでいこう<旧約聖書創世記第10章>
ノアの子セム、ハム、ヤぺテの系図は次の通り。洪水の後彼らに子が生まれた。
ヤぺテの子孫はゴメル、マゴグ、マダイ、ヤリン、トマル、メセク、テラス。ゴメルの子孫は・・・と延々と名前が続き、人間が増えて洪水の後様々な土地に分かれて住んでいた。
<旧約聖書創世記第11章>
全地は同じ言語で同じ言葉であった。時に人々は東に移り、シナルの地に平野を得てそこに住んだ。
彼らは互いに言った。
「さあ、レンガを造って火で焼こう」
こうして彼らは石の代わりにレンガを得て、漆喰のかわりにアスファルトを得た。
彼らはまた言った。
「さあ、街を造り塔を建てよう、その塔の先がを天に届くほどの。そして我々は名を上げて、全地の表に散るのを逃れよう。消え去ることが無いように」
神は降りて来て人をバラバラにして多言語にした
時に神は降りて来て人の子たちの建てる街と塔を見て言われた。
「民はひとつで、皆同じ言葉である。彼らは既にこの事をしはじめた。彼らがしようとする事は、もはやこのままでは済まないであろう。さあ、我々は下って行って、そこで彼らの言葉を乱し、互いに言葉が通じないようにしよう」
こうして神は人をすべての地に散らされたので彼らは街を造るのをやめた。これによってその街の名はバベルと呼ばれた。神がそこで、全地の言葉を乱し、そこから人を全地に散らされたからである。
旧約聖書バベルの塔の解釈
バベルの塔の解釈は「人間が塔を造り神に挑戦しようとしたので神は塔を壊した」というのが一般的な解釈。
今では実現不可能な計画の事をバベルの塔という。
バベルの塔は歴史?
バベルの塔の話は神話とする説が支配的だ。そしてバベルの塔という言葉は聖書には出てこない。
「人はそこに街と塔を築いた。街の名はバベル」
というのが聖書の記述だ。
バベルはヘブライ語で「ごちゃまぜ」という意味、アッカド語では「神の門」を意味するという。
バベルの塔があった場所は?
旧約聖書でバベルと呼ばれた場所は現在のイラクの首都バグダッドの南に位置していて後にバビロンを呼ばれる。この地域にはジグラットと呼ばれる巨大な遺跡が発見されておりバベルの塔はジグラットだったと考えられている。
ジグラット
シュメール人たちは元々山岳に住んでいた。彼らが平地に降りて来たときに高い所で祈れるように神殿を造ったという説がある。
チグリス・ユーフラテスの両河にはさまれる肥沃な土地はメソポタミアと呼ばれ世界最古の文明の地だ。メソポタミアはギリシャ語で両河の間という意味だそう。
河によってもたらされた肥沃な大地だがこの大河は度々氾濫を起こし激しい洪水をもたらした。
洪水に備える高い塔=ジグラットを造ったという説は納得が出来る。
バベルの塔は7階建て
ある説ではバベルの塔は7層で高さ90メートル、最上階には神殿があった。バベルの塔の7層は各曜日を示しておりその曜日が太陽の周りを廻る惑星と対応していたという。
もしかしたらこれがバベルの塔かもというのがある
バビロンにあるエテメンアンキのジクラットは一辺が90メートルの正方形、高さも90メートルという巨大な建築物。このジグラットの内部に焼きレンガやアスファルトが使われていてこれこそが旧約聖書に出てくるバベルの塔という説がある。紀元前7世紀ネブカドネザル2世の時に完成した。
バベルは歴史か神話か
バベルの塔がジグラットなのはどうやら信憑性がありそうだ。物語は後からついてきたとしても。今も沢山のジグラットが残るという。これらのジグラットは後にペルシャの征服とアレキサンダー大帝の遠征で廃れていったらしい。
聖書はこの辺りから実在した歴史上の王や街や史実との関わり合いが現実化して来たがいまだ謎は多い。
旧約聖書の創世記はこの後多くの子孫が生まれそしてアブラハムが生まれる。