Contents
本当にあった話です。
礼儀正しくちょっとシャイだったけど
あまり記憶にも残っていない。
そんな人だった。
毎日「チェックのシャツにキャップ。」
日本ならどこにでも売っていそうな。
約1週間の旅行
何の問題も無くツアーは「明日は日本へ」という日の事……
夕方からフリータイム。
夕食も付いていないのでもう明日の朝までみんな各自で行動だ。
それぞれ三々五々お買い物へ美術館へと散っていった。
宿泊ホテルから徒歩5分のところにスーパーマーケットがある。ホテルを出て暫く歩いて一度右に曲がるだけの至近距離。
そこへ何人かが一緒に又はバラバラと行ってお買い物を楽しんだ。
「そこに彼は来ていた」
それが最後の目撃情報
出発当日の朝
出発時間になって1人足りない
何度数えてもいない
誰だろう・・・・
「1人参加のあの彼いなく無いですか?」
「そうだ、そうだ」
「彼居ないねえ〜〜」
「朝から見てないよね〜」
「まだ寝てるんじゃ無いの?」
いろんなデマが飛び交う中とりあえず部屋のチェック
「…………」
部屋はまるで「すぐ帰ってきます」状態
スーツケースは広げられ、
乱雑にバラバラと色んなものが部屋中に散らばっている。
「これって……???」
ツアーの最優先順位は全体だ
そして「安全に帰国する事」
グループは彼を残し帰っていった。
残された現地は大混乱
警察、日本大使館、ホテル、周辺住民、行ったはずのスーパー
帰ってくるかもしれないホテル。
寝ずの捜索をした担当ガイド君は
交代命令が出て約7キロは離れた家に帰り休んだ
もう既に出発の朝から30時間は経っている。
前日の夜からだと40時間以上
現地の不安も心配もピークだ
真夏のスペインの昼間の太陽は強烈。
影が出来ない位真上から容赦無く照りつける。
担当ガイド君、暑い時間に外を歩く事はあまりしないのに
何故かその日は誰かに呼ばれたように外へ行った。
お昼寝を中断して。
そして彼の家はかのホテルから7キロは離れた普通の住宅街。
決して観光地でも無くもちろんガイドブックにも載っていない。
そこに何と、
「チェックのシャツにキャップをかぶった男性」が歩いている。
普通なら気にも止めないくらい普通に。
「も、も、もしかしてoxさん?」
「あ、は、はい、そ、そうです、、、」
彼は発見された。
偶然にも……
そしてとにかく家に入れて飲み物飲ませて休ませて話を聞けば
ーースーパーを出てから迷子になって歩いていた。
ホテルの名前も分からないのでとにかく歩いていた。
何も持たずに出たのでただ歩いていた。
夜は地下鉄の駅で寝て朝になったら又歩いた。ーーー
それにしても
いつまで歩くつもりだったのかなあ〜
教訓:知らない街で出かけるときは必ずホテルの住所が書かれた何かを持ちましょう。
(これは本当にあった事を何人かの関係者から聞いて私がまとめた物です)