大聖堂と教会の違いはなんだろうと思ったことは無いですか?ヨーロッパの旅をすると見るのは大聖堂や教会等キリスト教の建築物が多くなる。キリスト教の事をもう少しだけ知っていると旅はもっと楽しくなる。
カトリック世界のトップはローマ教皇、その下に司教・司祭と続くピラミッド型の組織がある。大聖堂と教会の違いはそのピラミッド組織が関係している。
今日はカトリックの大聖堂と教会は違うんですと言うお話。
大聖堂と教会
ヨーロッパ旅行で必ず観光する大聖堂
ヨーロッパを旅行するとどこの街でも大聖堂やドームや教会を見学する。こっちは大聖堂なのにあちらは教会でこっちはバシリカ。「一体何が違うんだろう」と思ったことは無いですか?
大聖堂とは
大聖堂とは英語で「カテドラル」、日本語では「大司教座教会」と呼び普通の教会より格が高い。意味は「カテドラ」が有る教会と言う事で「カテドラ」はギリシャ語で椅子の事。大司教や司教が座る椅子=カテドラがある教会、すなわち「カテドラル」なのです。という事で大司教や司教がいる教会だけを大聖堂と呼ぶ。普通の教会にいる聖職者は司祭とか助祭、大聖堂には大司教がいるのが違い。
カトリック世界の最高位はローマ教皇
カトリックの世界にはピラミッド型の組織がある。そのトップにいるのがローマ教皇だ。その次の位が大司教。カテドラルには「ローマ教皇の次の位の大司教がいる」というわけだ。大司教か司教が座る椅子が有る教会だけを大聖堂と呼ぶ。
大司教:カトリックでローマ教皇(ローマ法王)の次の位の聖職者。
司祭:司教の協力者として働くのが司祭。司教によって司祭に任じられ司教から与えられる任務に就く。
助祭:助祭も司教の協力者として働く司祭になる前の位、または生涯を助祭で終える終身助祭もいる。
イタリアでは大聖堂をドゥーオモ
ラテン語で家の事をdomusドムスと呼んだ。古代ローマ時代には上流階級の家をドムスと呼ぶようになった。ドメスティック(家庭内)という言葉はここからきている。次第に神の家をドムスというようになり、イタリア語でドゥーオモと呼ぶようになった。
ローマ教皇
カトリックの総本山はローマのバチカン市国にあるサン・ピエトロ寺院。キリストの12弟子聖ペテロが殉教したところに4世紀に建てられた教会が次第に立派に建て替えられていった。
聖ペテロは逆さ十字にかけられて殉教したイエスキリストの一番弟子。聖ペテロの名前を取って聖ペテロ教会=イタリア語でサン・ピエトロ教会と呼ばれるようになった。サン・ピエトロ寺院の司教の事をローマ教皇(ローマ法王)と言い全カトリックの頂点、世界のカトリック信者の精神的指導者となる。
ローマ教皇はペテロの後継者だったが次第にイエスキリストの後継者となって行った。
バシリカ
もともとバシリカは建築様式の事で古代ローマ時代の集会に使われた建物の事を言う。しかしカトリック教会でバシリカと呼ばれるには決まりがあり特別な権利を与えられた教会の事をバシリカと呼ぶ。
*一般の教会より上位の教会である。
*ローマ教皇専用の傘を備える権利。バシリカにはこの傘=オンブレリーノがある。
*ローマ教皇を象徴する鐘を持つ権利。バシリカはティンタンタナパリウムという鐘を持っている。
*ミサに特別のカパ=カパマグナを着用する権利を持っている。
ローマには4つの大バシリカがありサンピエトロ寺院も大バシリカにあたる。それ以外に世界に1500の小バシリカがある。
街の教会
街の教会は信者の集会所。ギリシャ語のエクレシア=人々の集いの場所という言葉から来ている。各地域は教区に分かれていてカトリックの人々が子供の時からかかわって行くのが各地の教区の教会。
殆どの街の教会は全ての人に扉を開けているので信者でなくても入場できるところが多い。お祈りしている人がいたら静かに見学しましょう。
大聖堂と教会まとめ
カトリックはローマ教皇を頂点とするピラミッド組織を作っている。トップにローマ教皇、その下に司教がいる大聖堂とその管轄にある司祭がいる教会があるヒエラルキーが作られている。カトリックの大聖堂や教会の名前の違いにはに意味が有るんですね~というお話でした。