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今のスペインが約2000年前にローマの支配下にはいり約200年間かけてローマ化していった。ローマ人たちは熱心に土木工事をやり続け現在もスペイン国内に多くのローマの遺跡が残る。主に沿岸地帯に街を作ったのがローマ人たちだが内陸にも道路を作り橋を架け水を運んでいる。
ローマの水道橋とは
水道橋とは水を運ぶもの
町を建設する時にローマ人はその街にどこから水を運ぶかにこだわった。山を歩きまわり村人の健康状態を調べ質の良い水を街へ供給するために努力を惜しまなかった。そしてローマ人は水を運ぶためにこんな凄いものを作った。
セゴビアの約2000年前の水道橋。橋の一番上が水路になっていた。
山から街に水を引くために近くの山、水の出そうなところを探索し水の透明度や水量、味を見ただけではなくその付近の住民の健康状態や肌のツヤまで記録に取って質の良い水を探した。
地形を利用しながら街に向けて勾配を保って水を運んできた。
水が流れていた水路の部分。内側にはローマ人が考えたコンクリートが塗られていて水が乗れない仕組みになっていた。
水勾配
実は水道橋は実はほとんどが地中を通っていて見えない。絵的に迫力があるので写真集で紹介されるのは大きな橋の部分だが地上に出ている部分は全体の20パーセント位と言われる。
水には自然に流れる水勾配というのがあって今も土木の人達は町を作ったり家を建てる時に水をどう流すかを考える。
水が自力で流れるギリギリのゆるい勾配が0,5パーセント。
気にならない最大勾配が2パーセント。ちょうど良いのが1パーセントだそうだ。セゴビアの水道橋の地上部分813メートルの水勾配は1パーセント。
途中でいびつに水道橋は曲がっている。まっすぐ作ったほうが石は少なくすんだはずこの絶妙な勾配を守るためにほとんど直角に曲げて作っている。
水源
約18キロ離れたレベンガに水源がある。
そこから水は供給されていて今もちゃんと残っている。
最近の修復できれいになりすぎていますが今もたっぷり水が流れていた
水を低いところから高いところへ上げるためにはスクリューやサイフォンのシステム。2000年前に別料金を払えば自宅へ水を引くことも可能だったらしい。
水と道路は無料というのがローマ人の考え。インフラに対するローマ人の情熱だった。
スペイン国内のローマの遺跡
あまり知られていないがスペイン国内に多くのローマの遺跡が有る。エストレマゥーラ州のメリダやカタルーニャのアンプリウス、北部にあるラス・メドゥーラス等数えきれない。その中でセゴビアの水道橋はマドリードから近く行きやすく完璧に残るローマの遺跡のひとつだ。