バレンシアはスペイン第三の都市。地中海に近く温暖で適度に都会だけど人は素朴で親切。物価は安くて街の規模は歩いて廻れる大きさ。治安も良くて食べ物は美味しく見どころ満載なわりに日本ではあまり紹介されていない。私用で続けてバレンシアに行ったのでバレンシアの魅力を紹介します。長い記事なので目次から興味が有る項目へジャンプしてください。パエリアは食べておりませんのでご了承ください。(注意:バレンシアではパエリアは殆どのレストランでお昼のみです)
バレンシアの魅力
地中海沿岸都市バレンシアは気候は温暖で並木にオレンジやヤシの木が使われ街に沢山のモデルニズモ建築が美しい。
筆者撮影
豊かなバレンシアは周辺の農業や工業、造船、金属、家具、繊維業などがグラオ港から積み出される活気がある街だ
筆者撮影
治安も良く人々は親切だ。バレンシアの街の中心部はほとんど徒歩で回れカメラをどこに向けても絵になる景色。
筆者撮影
バレンシアの街中に素敵な建築がありモデルニズム建築を見ながら散策するのも旅の楽しみのひとつ。
筆者撮影
地中海の方へバレンシア市内から路線バスで行けるので午後はマルバロッサ海岸の方へ行ってはどうだろう。路線バスでバレンシア中心部から約30分で海の方へ行くことが出来る。
筆者撮影
マドリードからバレンシアは新幹線で1時間半バスなら4時間30分、バルセローナからバレンシアは列車で3時間又はバスで4時間で到着出来るのでバレンシアをスペイン旅行の行程に入れてみてはどうでしょう。
バレンシア中央市場を散策しよう
メルカード・セントラル
8000Ⅿ2の面積のバレンシア中央市場は日曜祝日以外は朝7時から開いている。豊かなバレンシアの野菜や果物、魚に肉にチーズ。中にはカフェもあり果物や生ジュースを買う事も出来る。そして市場内部はフリーWi-Fiが繋がる。
筆者撮影
バレンシアのほとんどのモニュメントが10時オープンなのでモニュメントが開く前の時間を利用して市場を堪能してみよう。果物は値段はキロ表示で4分の1キロとか100グラムといった買い方が出来る。バレンシア・オレンジのジュースや少しだけ果物パックなども有るので旅行中のビタミンⅭ補給にどうぞ。
筆者撮影
生ハムは豚の太ももと前足とどちらも使う。このお店にはホセリートという有名ブランドの生ハムがぶら下がっていました。その場で切って貰えますよ。
筆者撮影
内陸は広大な農地にかこまれ海に面したバレンシアの豊かさを感じる市場です。
筆者撮影
バレンシア中央市場 Mercado Central
月曜日から土曜日 7時~15時
日曜祝日休み
中央市場の中にミシュラン星付きシェフのバル
バレンシア中央市場にある「セントラル・バル」はバレンシアの星付きレストランのオーナーシェフ「リカルド・カマレナ氏」プロデュース。
筆者撮影
営業時間は大体朝7時30分から15時頃と市場の営業時間と同じ。私が行ったのは朝8時頃、まだ朝食時間なのでコーヒーとトルティージャをいただきました。
筆者撮影
奥にキッチンが有りもう少し後の時間になるとタパス(つまみ系)が準備されるようでした。時間があれば戻って来てビールとタパスをいただきたかったです。また次回。
筆者撮影
カフェ・コン・レーチェ(ミルクコーヒー)は濃厚で目茶美味しく、トルティージャも出来立てで最高でした。カフェが1、55€、ピンチョ・デ・トルティージャが2、50€。
筆者撮影
セントラルバルCentral Bar :住所 Mercat Central
月曜日から土曜日 7時~15時
バレンシア中央市場のお手洗い
バレンシア中央市場にお買い物に来る人達の為にお手洗いが有ります。
筆者撮影
市場内で購入したりコーヒーを飲んだレシートを持っていればこのカウンターでFICHA=フィチャと言うコインに変えてくれます。
筆者撮影
カメラが悪いのか腕が悪いのか肝心のFICHA=フィチャがボケました。
筆者撮影
フィチャ又は50セントコインを入れると中に入れます。50セントは良心的な値段ですね。
筆者撮影
バレンシア中央市場のまわりにもバル
バレンシア中央市場を出ると周りにも沢山のバルがある。メルカード広場に有るボアテージャ・タパスは庶民派バル。朝8時から00時までノンストップで開いている。入り口上にバル・セントラルとあり昔はそういう名前だったのかもしれない。
Boatella Tapas
筆者撮影
隣の角につながるバルと同じ経営だそうです。
筆者撮影
海老のフリッターこれは最高においしかった。ハーフポーションで6€50。スペイン語でフリトゥーラ・デ・ガンバス(frituras de gambas)。ハーフポーションはスペイン語でメディア・ラシオン(Media Racion)
筆者撮影
クロチナありますの表示。クロチナはバレンシア近くの海で取れる小ぶりのムール貝。
筆者撮影
バレンシア中央市場側に面してテラス席もあり暖かい時期は気持ちいいでしょうね。
筆者撮影
ここの店は実は気に入って昼間と夜と2回来ました。夜はテラスでビール飲む人達も沢山。1月で寒かったですが・・・。
筆者撮影
ミンチボールは一皿6€50スペイン語でアルボンディガ(albondiga)
筆者撮影
カタクチイワシのフライは一皿7€、ボケロネス・フリートス(boqurones fritos)
筆者撮影
ボアテージャタパスBoatella Tapas
住所Plaza de Mercado 34
月曜から日曜:8時から24時(火曜日休み)
世界遺産「ラ・ロンハ」(ラ・ジョッジャ)
ラ・ロンハは絹の商品取引所
バレンシア中央市場のすぐ横に「これはお城?」と思う堅牢な石の建物が有る。15世紀の絹の商品取引所が世界遺産の「ラ・ロンハ」バレンシア語で「ラ・ジョッジャ」
筆者撮影
当時にしては珍しい商業取引のみを目的に造られた建物で15世紀のバレンシアの繁栄を物語る。ヨーロッパを旅すると古い大きな建物を沢山見るがたいていはお城か大聖堂や修道院だが民間の建築物でこれほど立派な物はそうは残っていない。
ゴシック教会の様に屋根からガーゴイルがこちらを見つめていた。
筆者撮影
天使が沢山いるのは商取引も神の元に誠実に行われなければならないという事か。
筆者撮影
外回りの数々の彫刻が面白くてぐるりと一周。
筆者撮影
正面の入り口の柱には人間や想像上の生き物達がぶら下がって何かを奪い合っているようだった。お尻が出ているのは何故なんだろう。
筆者撮影
お尻をこそばすのやめて~という感じの柱頭彫刻
筆者撮影
きれいな植物模様も沢山で当時の彫刻家のデザイン力に圧倒される。バレンシア周辺に今も見られる植物がモチーフになっている。
筆者撮影
内部は今回は入らなかったので写真はウィキペディアから借用しました。大きな広間は棕櫚の林の様になっている。
wikipedia CC BY-SA 2.0 Author Emilio García from Parla, Spain
ラ・ロンハから丸い広場とオルチャータ屋
レド―ナ広場
ロンハから少し中世の街並みを歩いていくと丸い広場に到着する。
筆者撮影
スペインも各町に様々な広場があるが丸い広場は珍しい。ここはその名も丸い広場、スペイン語でプラザ・レドンダ、バレンシア語でプラサ・レドーナ。
筆者撮影
昔はクロット広場と呼ばれたそうで1840年に造られた。
筆者撮影
中には刺繍の材料屋さんが沢山あった。ファジャ(バレンシア火祭り)の女性の衣装の様な綺麗な刺繍を今も自分で作る女性達がいるんだね~と思った。
筆者撮影
可愛い焼き物を売る店や飲食店等があり一見の価値あり。
レド―ナ広場のタベルナ・クロット
行きたかったタベルナがお休みでこちらに入りました。
筆者撮影
ムール貝の小さいのをバレンシアでクロチナという。クロチナの白ワイン蒸しを8€を頂きました。新鮮でおいしい。
筆者撮影
バレンシア・ワインをグラスで一杯ずつとムール貝で合計13ユーロ
筆者撮影
レド―ナ広場横
写真撮っている人がいるから何を撮っているのかと思ったらこの建物。
筆者撮影
黄色い建物とピンクの建物の間の間口が狭い建物。中はどうなっているんだろう。今も使っているんだろうか。バレンシアで一番間口の狭い集合住宅なんでしょうね。
筆者撮影
オルチャテリア・サンタ・カタリーナ
レド―ナ広場から少し歩くとバレンシアの有名店オルチャテリア・サンタ・カタリーナがある。
筆者撮影
サンタカタリーナ教会の塔(写真上)があるすぐ近くにセラミックの装飾が綺麗なオルチャテリア。
筆者撮影
オルチャテリアはオルチャータを飲ませるお店の事。オルチャータはバレンシア界隈で夏に飲む飲料で原料はチュファという地下茎。夏の飲み物だそうですが冬でもありました。
筆者撮影
バレンシアの地元の人達も沢山朝食にやって来ている普通のカフェテリアで朝食用にカフェや菓子パン(ボージョ)も沢山。
筆者撮影
綺麗なセラミックが店内に飾られていて絵説きをしながら楽しい時間を過ごせます。そう、バレンシアはセラミックが有名でした。
筆者撮影
オルチャテリアなのでオルチャータとチュロスの朝食。今迄人生で飲んだオルチャータで一番美味しかったです。きっとバレンシアはどこでも美味しいのかもですね。
筆者撮影
大聖堂とミゲレテの塔と水裁判
巨大なバレンシア大聖堂
バレンシアの大聖堂はもともとモスクが有ったところに造られている。
筆者撮影
1262年にロマネスク様式で建築が開始されたが現在見られる殆どの建物は14世紀から15世紀にかけて造られたゴシック期、更に18世紀末の改修でゴシックの部分はほとんど隠れてしまった。
バレンシア大聖堂の入口はレイ―ナ広場(Plaza de Reina)に面したバロックの門。
筆者撮影
この入り口を入ると直ぐに右と左に分かれていて「左はCultoお祈りの人用」「右は大聖堂見学用」お祈りしなくても左側に入るのは無料でミゲレテの塔に登るだけなら左から入って塔の下の切符売り場で2€支払う。
右側からはいると入場料を払ってバレンシア大聖堂のイヤホンガイド(日本語あり)を聞きながら1時間ほどで内部を見学できる。日本語の説明は解り易く見ごたえがあった。内部はフラッシュ無しで撮影可能。
筆者撮影
中央祭壇の8角形の天井の窓がレースの様で光が大聖堂の中央祭壇に届く。
筆者撮影
ゴヤが描いたフランシスコ・デ・ボルハの生涯。聖フランシスコ・デ・ボルハは有名なボルジア家出身の人物。フランシスコ・デ・ボルハはカルロス5世の妻イサベルに恋い焦がれていたがその遺体を見てショックを受け修道会に入った。その後狂女ファナの晩年に静謐な時間を与えた人物。これはフランシスコ・デ・ボルハが家族と別れ修道会に入る場面。
筆者撮影
こちらは「悔悛しない瀕死の病人に付添う聖フランシスコ・デ・ボルハ」。死を迎える男性のまわりに悪魔達、十字架から鮮血が飛び出している。
筆者撮影
*ボルハはボルジア家のスペイン語名でバレンシア出身の一族。ローマ法王アレッサンドロ6世やチェザーレ・ボルジア、ルクレチア・ボルジア等有名人を輩出している有力ファミリーだ。
アラバスターの聖母像は子供を授かったバレンシアの女性達が家族と安産を祈りに来る場所だそう。
筆者撮影
イヤホン・ガイド・ツアーの最後に見る聖杯はイエス・キリストが最後の晩餐で使ったと言われている。聖ペテロによりローマに運ばれその後ローマ法王シクストゥス2世の時代にスペインに運ばれた。その後イスラム教徒の侵略の時代にはピレネーの山の中に隠され再びアラゴン王を経由してバレンシアに運ばれたという。
筆者撮影
カテドラル・サンタ・マリア・デ・バレンシア
月曜から土曜 10時から18時30分
日曜・祝日14時から18時30分
入場料:7ユーロ
復活祭やクリスマス時期は時間が変更になります。
ミゲレテの塔
バレンシア大聖堂の横に有る8角形の塔ミゲレテの塔はバレンシア語ではミカレットの塔。有料で上に登ることが出来バレンシアの街並みを楽しめる。
この入り口を入ると入場券売り場が有り2€支払う。
筆者撮影
入り口はこんな感じで沢山の人が一緒に団体で降りてくるとき等は少し待つことになる。ひとつな段が大きく207段で上まで約10分程で登ることが出来る。
筆者撮影
らせん階段を最初に考えた人は偉いな。小さなスペースで上に登って行く階段を作ることが出来る偉大な発明だ。
筆者撮影
上まで登るとバレンシア港まで見渡す事が出来た。
筆者撮影
ミゲレテの塔 Torre Miguelete
月曜から土曜10時から19時30分(冬18時30分)
冬の日曜10時から13時、17時30分から19時
クリスマス、復活祭等の祝日は変更あり
木曜日なら大聖堂の外で無形世界遺産の水裁判
毎週木曜日の正午12時に行われる水裁判は無形世界遺産になっている。法衣を身に着けた8人のセニョールたちが12時にバレンシア大聖堂のゴシックの門に集まる。20分ほど前にやって来たらもう椅子の準備がされていた。普段はこの8個の椅子は置かれていない。
筆者撮影
農業が盛んだが水の少ないバレンシアで農業用水を巡る揉め事を解決する法定。何と1000年もの歴史がある民主裁判だ。この8人はこの地方の農家が選んだ総代。灌漑水路の名を順にあげていき訴訟の有無を民衆に尋ねる。
筆者撮影
大聖堂の中ではなく外で行われるのはイスラム教徒も参加できるように配慮されている。この辺り一帯の水利技術はもともとイスラム教徒達が作ったものでレコンキスタの後のアラゴン王の時代に決められた。
筆者撮影
12時より10分位前に場所取りをすれば充分見ることが出来る。今はあまり係争が無いそうで裁判は5分程であっけなく終了、待った時間の方が長かった。
ビルヘン広場とデスアン パラ―ドスの礼拝堂
ビルヘン広場
ビルヘン広場には大きな彫刻と噴水がある。水の神と周りにバレンシアの8個の水源を現す女神たち。バレンシアにとって水は大切という象徴。
筆者撮影
噴水の向こうに見えるピンクの建物がデスアンパラードスの礼拝堂。
バレンシアの火祭り(ファージャ)の時はこの広場に大きな聖母像が置かれ人々が捧げる花で飾られる。
wikipedia CC BY-SA 2.0 Author Emilio García
デスアンパラードスのバシリカ
バレンシアの守護聖母デスアンパラ―ドスの聖母が納められている。デスアンパラ―ドスはスペイン語で見捨てられた人々。貧しさや病気や哀しみで見捨てられた人々を守る聖母マリア。
筆者撮影
天上のドームはフレスコ画で飾られている。
筆者撮影
後ろ側の部屋から階段を上ると聖母像の後ろ側へ回ることが出来る。ここでも祈る人々がいた。
筆者撮影
*入場は無料ですがミサをやっているときは写真は遠慮しましょう。バレンシアの人達が大切にしている聖母を祀る礼拝堂です。短パンや露出の多い服装で入場するのは遠慮しましょう。
デスアンパラ―ドスのバシリカ
Real Basilica de Nuestra Señora de los Desamparados
毎日 7時から14時 16時30分から21時
入場無料
大聖堂近くカルメン地区のバル2軒
タスカ・アンヘル
バレンシアの中心部をカルメン地区を呼ぶ。何軒か実際に行ったバルを紹介します。タスカ・アンヘルは小さなバルでタスカは庶民的なバルの事。
筆者撮影
細長いカウンタ―だけの小さな店、タパスが沢山あってどれも4€とか5€です。
筆者撮影
海老のアヒージョ
筆者撮影
イワシ
筆者撮影
タスカ・アンヘル Tasca Angel
住所 Purisima 1 Valencia
月曜から土曜 10時30分から15時 19時から23時
ティント・フィノ・ウルトラマリーノ
もともとは食材屋=ウルトラマリーノで奥には今もチーズやハムを売る食材店舗がある。メニューはイタリア料理とスペイン料理のミックス
筆者撮影
ワインの種類は豊富でバレンシアのワインをグラスでいただく。美味しそうなものがいっぱいあるバルでしたがお腹が減らずにワインだけな私たちでした。
筆者撮影
住所 Carrer de la Corretgeria 38
月曜から日曜 13時から16時 19時から23時
セラーノスの塔からバレンシア美術館
セラーノスの塔
大聖堂がある広場から10分程歩くと城門が見えて来る。14世紀の城門で街全体が城壁で囲まれていた。城門自体は修復を加えられているという。
筆者撮影
城門から外に出ると橋があり川が掘りの役割をしていたのが解る。
バレンシア美術館
元は「ピオ5世美術館」とよばれていたバレンシア美術館の設立は1837年。現在の建物に移転してきたのはスペイン内戦の後。元々神学校だった建物に14世紀から20世紀までの絵画を中心としたコレクションが展示されており無料で鑑賞できる。
セラーノスの塔から橋を渡り右前方を見るとドームが有る建物がバレンシア美術館。
筆者撮影
バレンシア派のプリミティブ絵画が豊富、中世の教会のレターブルが沢山展示されている。
筆者撮影
バレンシア出身の20世紀画家ホアキン・ソロージャの部屋は一見の価値あり
筆者撮影
光の画家と呼ばれたホアキン・ソロージャは愛する家族達の絵を沢山描いている。
筆者撮影
上流階級の人々が優雅な庭園で遊んでいるところ。楽しいムードと美しい衣装、光の扱い等を鑑賞。
筆者撮影
ボッシュのトゥリプティクス(三連祭壇画)。キリストが裏切られた聖書の場面を人々の醜い表情をひとりひとり近くで観察できる。
筆者撮影
知らないベラスケス作品があって驚いた。福者シモン・デ・ロハス、まだ若い頃の作品らしいが指やロサリオの描写がゾクッとする程綺麗だった。
筆者撮影
他にもムリーリョやゴヤ、エルグレコ、ティチアーノ等豊富なコレクションを展示していて見ごたえたっぷりでした。
バレンシア美術館 Museo Bellas Artes Valencia
火曜日から日曜日 10時から20時
月曜休館
入場無料
ラ・アルモニア考古学博物館
工事をしていて偶然発見されたという地下の遺跡はバレンシア大聖堂のすぐ裏側にあるラ・アルモニア考古学博物館。
筆者撮影
現在のバレンシアの街の下に古代の街が眠る。内部はローマだけでなくビシゴートやイスラム時代の遺跡も残っていて発掘品が展示されている。
筆者撮影
外側の水が貯められたところの下が遺跡。
筆者撮影
展示の仕方がセンスがあり上記写真の水の真下がローマの遺跡。
筆者撮影
ローマの石畳の街道が残り当時の街の想像図が一緒に展示されている。
筆者撮影
それ以外にもビシゴート時代の教会跡なども地下遺跡を歩きながら見学できる。
ラ・アルモニア・考古学博物館
火曜から土曜10時から19時
日曜、祝日10時から14時
月曜休み 入場料2€ 日曜祝日無料
サン・ニコラス教会
バレンシアのシスティーナ礼拝堂と呼ばれるサンニコラス教会は大聖堂からすぐ。外見は地味で見過ごしそうなところに有るが内部はフレスコ画が全面に描かれている。
筆者撮影
フレスコ画は17世紀のもの、19世紀にこのフレスコを覆ってしまったものを専門家たちが3年間をかけて丁寧に復活させた。
筆者撮影
入り口でオーディオガイドを受け取り聞きながら見学。スペイン語と英語フランス語等(日本語は無し)。内部どこに目を向けても細部に至るまでフレスコ画に覆われていて目が回りそうでした。小さな教会で入場料5€はしびれた。
筆者撮影
サンニコラス教会 Parroquia San Nicolas
月曜と日曜午前中は一般公開なし 10時半から19時30分(夏は~21時)
入場料5€
陶器博物館とパトリアルカ神学学校
国立陶器博物館
建物はドス・アグアス公爵宮殿という貴族のお屋敷でこれを見るだけでも価値がある。
入り口はアラバスターの彫刻が豪華
筆者撮影
展示されているコレクションはマヌエル・ゴンザレス・マルティ―氏の個人コレクションの寄贈を受け展示している国立博物館。
筆者撮影
バレンシアは伝統的に陶器が盛んだ。バレンシアの三大陶器マニセス、パテルナ、アルコラを鑑賞できる。13世紀から15世紀のマニセス焼きは珍しいという。それ以外にもタラベラやセビージャそしてマイセンや中国の焼き物も展示されている。
筆者撮影
夜は建物が照明で照らされてさらに綺麗でした。
筆者撮影
火曜から土曜 10時から14時、16時から20時 月曜休館
入場料3€
パトリアルカ神学校
陶器博物館から徒歩で5分程、大学のすぐ横にある建物で神学校と教会、礼拝堂が一部公開されている。ここはセビージャ出身の大司教ファン・デ・リベラによって創設された。正式名称はReal Colegio Seminario de Corpus Christi日本語にすると王立聖体神学校。
筆者撮影
入り口は2つあって教会の方は無料ではいれる。素晴らしいフレスコ画に囲まれた礼拝堂。ミサをやっていたら写真は遠慮しましょう。
筆者撮影
右側の入り口から入ると有料の美術館。5つの部屋にあるコレクションはもちろん宗教画ですがカラバッジオやバン・デル・ウェイデン、エルグレコ、リベラと見ごたえがあって驚いた。写真下はカラバッジオ。
筆者撮影
フランドル画家のバンデルウェイデンの板絵はキリストの十字架降下。板にテンペラ画だが顔料に油を混ぜる事によって透明感を手に入れた画家。聖母の涙が綺麗だった。
筆者撮影
エルグレコの羊飼いの礼拝。キリストの誕生を聖母と羊飼いたちがお祝いをしている。誕生したキリストが光源になり神秘的な感じを出している。同名の最晩年の作品がプラド美術館にある。
筆者撮影
小さな美術館でしたが見ごたえ充分で宗教画が好きならおすすめ。
月曜から金曜10時から木曜土曜11時から13時30分
入場料 3€
バレンシア北駅
マドリードからの新幹線は少し離れたホアキンソロージャ駅に到着するが100年の歴史があるバレンシア北駅は今も使われているノスタルジックな駅だ。駅なのでもちろん入場無料です。
筆者撮影
私は駅が好きで旅を連想させるからどこまでも行きたくなる。
筆者撮影
セラミックが色んな所に使われていてメルヘンな気分に浸れます。
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様々な場所の細部に目を凝らすと時間を忘れて楽しめる。駅でこんなに楽しめるところもそう沢山は無い。
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切符売り場も昔のままでこの切符売り場で「切符が買いたい~」と心から思った
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モザイクでお花の模様にBuon Viaggio良い旅を~とバレンシア語で。ここは駅なので入場無料でいつでも入れ、中心部から徒歩で来れるのでお勧めです。
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ホームはこんな終着駅型
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有料ですがお手洗いもありました。50セントで清潔ならその方が良い。
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直ぐとなりにはバレンシアの闘牛場。ファジャのお祭りの時には一流闘牛士=マタドールがやって来る。
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スペイン新幹線AVEが発着するのはここから少し離れたホアキンソロージャ駅。バレンシア北駅から循環バスが出ている。
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コロン市場
コロン市場=メルカード・コロンは優雅な住宅街に1916年に完成したモデルニズモ建築。バルセロナの建築学校で学んだバレンシア(サグンド)出身の建築家フランシスコ・モラの作品。
筆者撮影
モデルニズモ建築はアントニオ・ガウディの時代ヨーロッパ各地で始まった新しい芸術運動の一環。フランスではアールヌーボー、オーストリアではセセッションと呼ばれた。カタルーニャを中心とする地域は富裕層が建築を注文したので建築家が沢山登場する。
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バレンシアらしくオレンジや豊富な作物をモチーフにした細部も楽しい。内部に入ると飲食店が並びここにもオルチャータ屋やカフェが並ぶ。現在は市場の部分は地下の一部のみ。
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地下に降りるとレストラン・スペースと食料品店
筆者撮影
生ハムや食材などを売るお店と魚屋がある。
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寿司屋が有った。友達のバレンシア人はここによく来ると言っていた。私たちが来たときは開店前で食べずです。
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綺麗なお手洗いは無料でした。
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コロン市場があるJorge Juan通りは素敵なモデルニズムの住宅が沢山あって見ながら歩くと楽しい。
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アラメダ地区
コロン市場から歩いて10分程でトゥリア川の向こう側にあるアラメダ地区へ。バレンシアで今人気があるのがこの地区のテラスだそう。
筆者撮影
私たちが行ったのは12月の終わりでしたが暖かくテラスでお食事する地元の家族連れで賑わっていました。
筆者撮影
筆者撮影
メスタ―ジャでサッカーを見る
アラメダ地区から少し歩くとバレンシアのサッカースタジアム、メスタージャがある。バレンシアCFは1919年設立の歴史あるチーム。エスタディオ・デ・メスタージャは53000人収容のサッカー場。現在新スタジアム建設中だが資金不足で遅延中。
筆者撮影
レアルマドリードやFCバルサはここでの試合に苦戦するので有名。試合が始まる前にバレンシアのファンが歌いながら行進、まるで戦争。
筆者撮影
試合前に吹奏楽がはいるのはバレンシアだけだと思う。
筆者撮影
席が急勾配なのが有名で上の席からでも良く見える。
筆者撮影
メスタージャは市内、徒歩圏内だ。2021-22シーズンには郊外に新スタジアム「ノウ・メスタージャ完成予定」との事。
バレンシア芸術科学都市
ここは大きなトゥリア川が流れていたが1957年に大洪水が起こり大きな被害が出た。川の流れを付け替えたところが大きな公園になっていて街中のグリーンベルトになった。
筆者撮影
そこに造られた複合施設がバレンシア芸術科学都市。2005年に完成、全体の設計はバレンシア生まれのサンチアゴ・カラトラーバ氏。流線形の橋を沢山作っている有名建築家だ。
ソフィア王妃オペラハウスはコンサートやオペラ、集会などに使われる。
筆者撮影
フェリペ王子科学博物館は科学の歴史と最新の科学の展示。
筆者撮影
内部構造はまるで恐竜の体の中にいるみたい。
レミスフェリックは人の目の形、中ではプラネタリウムやレーザー光のショー等が行われる。
筆者撮影
近未来都市の様な芸術科学都市はここだけで丸一日必要な程だ。私は建築が好きなのでこの界隈を歩いていろんな角度から見て楽しんだ。
一番遠くにあるのが水族館=オセアノグラフィックまでは時間が足りなく写真はウィキペディアより借用。この建築のみ建築家はフェリックス・キャンデラ氏。
wikipedia CC BY 2.0 Author Felipe Gabaldón from Spain
どこにカメラを向けても絵になる景色で入場せずに歩き回るだけで2時間ほどかかり疲れ切った。建築好きで写真好きなら絶対楽しい時間を過ごせること間違いなしです。
筆者撮影
中心部から少し離れているので私たちはバスを使いました。市役所前広場から19番、メトロならアラメダで降りて徒歩15分。
マルバロッサ海岸
バレンシアの魅力のひとつは地中海のビーチがすぐそこに有る事だ。市役所広場のバス停から19番のバスで乗り換えなしで約30分。
EMT Valencia
海岸沿いにはレストランが並ぶ。ここでのんびり過ごすのもバレンシアの楽しみ方のひとつ。
筆者撮影
港には豪華なクルーズ船も停泊していた。
筆者撮影
レストラン・アドゥアナ
港近くの大きな木の横に有るエレガントなレストラン・アドゥアナに来てみた。
筆者撮影
席にテーブルクロスが無いバル部門と
筆者撮影
テーブルクロスがされたレストラン部門。レストランの方だと前菜・メイン・デザートと本格的にお食事。
筆者撮影
バルの方も高級感が漂いちょっと躊躇した。既に食事をしている人達もリッチな感じだし。
筆者撮影
勇気を振り絞って「軽く食べたいだけですがいいですか?」「Solo queremos picar un poco」と言うととっても感じのいいお店のセニョールがどうぞどうぞと案内してくれた。
メニューにタパスやお米料理など色々。どれも美味しそうです。
筆者撮影
アーティチョークのパリッと仕上げ
筆者撮影
アスパラガスの薄皮包み上げに白アスパラのソース
筆者撮影
ここはお店の感じも良く美味しかったので将来必ずリピートします。隣のフランス人が頼んだ魚介のリゾットや反対側にいたスペイン人が頼んでいたイワシやイカも美味しそうで見つめてしまいました。激おすすめレストランです。
バレンシアの移動は歩き、時々バスとメトロ
バレンシアの街の中の重要部分はほとんど歩いて廻れる。マルバロッサ海岸やバレンシア芸術科学都市に行くのにはバスやメトロを利用すると良い。バレンシア市役所広場から19番のバスに乗ると芸術科学都市の横を通りマルバロッサまで約30分。
バレンシアの滞在が1日~2日ならTargeta Transporte というカードを購入すると毎回支払うよりお得になる。地下鉄の駅か街のキオスクで購入できる。カード代込で10回分で11€。
筆者撮影
バレンシアのバスとメトロとトラムに利用でき複数人でも利用可。5番のバスは街をぐるりと回る巡回バスで便利でした。
筆者撮影
5番のバスのルート
EMT Valencia
5番のバスはグルグル街を一周廻るバス(時計回り)なので例えば中央市場からセラーノスの塔まで、セラーノスの塔から市役所広場等の移動に便利。
バスに乗るとき現金なら1.5€ドライバーに直接支払う。交通カードを持っていればドライバーの横にあるこの機械にタッチするだけ。2人なら2回、3人なら3回タッチ。
筆者撮影
トラムの場合は乗る前に駅にあるこの機械でタッチ。プリペイドカードにチャージも出来る。
筆者撮影
筆者撮影
トラムの中には機械は無いので乗る前にタッチしておくこと。抜き打ちの検札が来て罰金100€ですと書いてあります。
筆者撮影
1時間以内の乗り換えも同じ切符内で使えるのでお得。
筆者撮影
トラムから地下鉄に乗り換えた。自動改札を通るが時間内なので回数券の数は減っていなかった。凄い!
筆者撮影
バレンシアのメトロはシンプルで何号線に乗るか表示を見ながら進む。
筆者撮影
出口にも改札がありカードをタッチする。1時間以内で外へ出たので回数券は減っていませんでした。
筆者撮影
まとめ
バレンシアの街はほとんど徒歩で観光出来る。駅や市場、建築を見ながら歩くのが楽しい街だ。治安が良く温暖で人々も親切で食事も安くて美味しいバレンシア。夏のトマト祭りのブニョルにもバレンシア北駅から電車で行くことが出来る。スペインの旅にバレンシアを加えてはいかがでしょう。
バレンシア州のブリョルで行われるトマト祭り(トマティーナ)の記事です。
<トマティーナ>トマト祭りは毎年8月最後の水曜日です